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私はいつも、訪れた観光スポットでポストカードを数枚ずつ買い、
ホテルの部屋で普段会えない友人たちにはがきを書きます。
ささやかなおみやげ代わりとして、海外旅行では必ず書くのですが、
海外からきれいな写真のはがきが届くというのは
とても嬉しいことのようで、誰にでも喜んでもらえています。
余分に買って余らせたはがきは自分用です。
自分でどんなに頑張って写真を撮っても、
プロが撮影したものにはかないませんから。
部屋に飾ったりアルバムにとじたりして、
旅した国々を思い出します。
もちろん、観光地ならではのお土産品を見るのも楽しいです。
ナポリではサンテルモ城に着く少し前に、
ガイドさんがカメオを作っている
職人さんの工房を案内してくれました。
イタリアの特産品であるカメオは工芸品として、
装飾品としても珍重されている高級なものだと知っていました。
とても手が出る値段ではないだろうと思っていましたが、
手でひとつひとつ彫っているところが見られるということで、
工房内を楽しく見学させてもらいました。
一緒に参加していた女性は、
どうやらお気に入りを見つけたらしくお買い物をしています。
工房のご主人とのやりとりで、
値下げしてくれている様子が聞こえてきました。
私には、どうしても何かイタリアらしいお土産をあげたい方がいて、
それだけは現地のスーパーマーケットで買った品物では
済ませたくなかったのです。
このカメオなら喜んでもらえるかもしれないと思いついて、
ショーケースをのぞきこみました。
美しい模様が掘り出されたカメオが並んでいました。
手彫りですから、同じ女性の横顔の図案でも、
ひとつひとつ表情が違います。
貝殻によって色合いも青みがかったもの、
黄色っぽいもの、様々でした。
値段もローマの観光客向けの
お店や空港の免税店などで見るものより、
随分とお手頃でした。小さめのものなら買えそうです。
いくつか気になるものを出してもらって、
あげたい方に似合いそうな色を考えました。
相談の結果、赤みをおびた貝に女性の横顔が
微笑んでいる小さなカメオのネックレスを選びました。
ナポリ半日観光ツアーの解散前にガイドさんが、
今から買い物に行くお店でおいしいものが安く買えるから
良かったら一緒にどうかと誘ってくれて、
そのままみんなでお買い物タイムとなりました。
連れて行かれたのは、王宮の近くにある本当に小さなお店です。
生ハム、チーズ、オリーブにパスタ、
南イタリア特産のおいしい食材が並んでいました。
地元の方たちがふらりと入ってきて二言三言注文すると、
その場でパンを切って、ショーケースから取り出した
生ハムやチーズをスライスし、
すばやくサンドイッチができあがっていました。おいしそうです。
ガイドさんは常連客のようで、
店員さんと親しそうに言葉を交わしていました。
お店の陽気なお兄さんが、
私たちにたくさんの試食品を出してくれました。
そこで食べた大きなオリーブの塩漬けが絶品でした。
チーズも、出してくれたもの以外にショーケースの中を指差すと、
すかさず切って味見させてくれます。
保存方法や日もちなど、ガイドさんが
通訳してくれて全部答えてもらえました。
帰国してから買って帰ったワインで思い出に
花を咲かせるためのおつまみとして、
オリーブとチーズと生ハムを買いました。
真空パックにしてくれるので、
開封しなければ数か月おいても平気とのことでした。
ガイドさんは、「私、日本に留学していたとき、
ここで生ハムとチーズを山ほど真空パックにしてもらって持って行ったの。
足りなくなったら日本から電話して送ってもらっていたのよ」と笑っていました。
日本では、こんなおいしい生ハムやチーズを
この値段で手に入れられないからと。
おいしいお店を教えてくれてありがとう、
ガイドさん。またナポリに来ることがあったら、
ここにオリーブを買いに来ます。
バッファローのマークがついた旗を目印に。
同日の午後、もうひとつ大事なおみやげ選びが残っていました。
妹に頼まれた壁掛け時計です。
妹が新しく暮らし始めたアパートの部屋に、
素敵な時計をかけたいというのです。
日本にはなさそうなデザインの、白い壁に合うものを探してほしい。
ちゃんと文字盤に数字があって時間が
はっきりわかるものというリクエストでした。
ローマの街でも雑貨屋をのぞいて探していたのですが、
どれもデザインがアーティスティックすぎて、
文字盤が見にくいもの、
時刻の数字がなく針だけの時計が多かったのです。
それでは妹のリクエストにかなわないので、
時計探しはナポリまで持ちこされていました。
ガイドさんにも心当たりを尋ね、いくつかの品を候補にしました。
その後しばらくあちこちの店をのぞいて歩くうちに、
一軒の家具屋さんのガラス張りの店内に、
黄色い太陽をデザインしたように鮮やかな丸い壁時計が
飾ってあるのが目に留まりました。
店内はなかなかの賑わいで、
他にも素敵な時計をいくつも見つけることができました。
迷いましたが、やはり最初に目に留まった時計が気になりました。
問題は、それが売り物なのか店内の装飾なのかがわからないのです。
値札もありません。
一人の店員さんをつかまえて売ってもらえるのかと尋ねたところ、
脚立を使ってその時計を外してくれました。
もしかしたら売り物ではないのかもしれません。
そばにいたお店の方にあの時計を売るよというような声をかけていました。
「この金額でどう?」電卓を叩いて店員さんが示した金額は、
やや予算オーバーというところです。考え込むと、
「いくらで買いたい?」と訊かれたので、正直な希望の金額を答えてみると、
「それならこれでどう?」と、
私の提示した金額より少し上の数字を出されました。
その金額なら良いかなと思い、「Si!」(イエス)と交渉を成立させました。
こんな値引き交渉も、海外旅行での楽しみのひとつです。
電池で動くことを確認して、箱に入れてもらいお店を出ました。
観光客とわかったからでしょうか、
壊れないように厳重にクッション材も入れてくれました。
幸い、大きさの割に軽い素材でできていたのもありがたかったです。
実は妹にあげてしまうのは惜しいくらい
自分が気に入った時計だったのですが、
今ではちゃんと妹の住まいで、白い壁を明るく飾ってくれているようです。
ヴォーメロの丘で買ったカメオのネックレスも喜んでもらえました。
この旅行から帰国した後、同行者のお母さんが早速つけてきてくれました。
この前の年に訪れたドイツではマインツという街で、
ライン川のほとりに地元の人々が手作りした雑貨や
衣料品などのテントが並ぶマーケットがありました。
ちょうどイベントが行われている日だったようです。
キャンドルホルダーを覆うと中の炎の灯りで
絵柄が透けて見えるようになっている小物、
ドイツらしい木で作られたおもちゃやキッチン用品、
銀製品や手作りのアクセサリー、手縫いのバッグや手編みの帽子など、
見ていて楽しいものがたくさん並んでいました。
友人や親せきのお土産に、小さなものをいろいろ買いました。
素敵なデザインの一輪刺し、糸を通して吊るす木彫りのオーナメント、
パスタ用のトングなど。
自分用にはカラフルでかわいらしい形をした調味料入れと、
丸太寝せてそのまま引き出しを彫って作ってある小物入れ。
出店している地元の方とのおしゃべりも楽しい思い出です。
夕飯も、このマーケットに出ていたソーセージのお店で食べました。
あの人にこれを、会社にはいくつ、
あと何個買わなくてはなどと考えてお土産を選ぶのは結構大変ですよね。
最小限にしなくては荷物もかさばるし、
買い物にかかる時間もばかになりません。
だけどせっかくお土産を渡すのですから、
上手に買い物を楽しんで、
どうせなら喜んでもらえるものを贈りたいと思います。
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